〔086〕光 岳 (2,591m)

    標高差:1,711m
累積標高差:2,493m

2006年10月08日(当時57歳)


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長野県飯田市南信濃木沢
登り:5時間41分
下り:3時間43分

前日の移動
  世間は体育の日が土日に引っ付いて3連休である。当然、紅葉が始まった北アルプスは混雑が予想される。 南アルプスなら営業小屋は既に締まっており、比較的、混雑はしないと思われる。光、聖、塩見を3連登しようと思ったが、初日の10/07の天気が思わしくなくなり、10/07は移動日とし塩見は諦める。
易老渡までの林道入口が見付け難く、大変な林道だと聞くので夜中に林道を走るのは避けたかったのもある。  中央道を飯田ICで下りて県道251号線から矢筈(やはず)トンネルを抜け国道152線を南下、上村の上島トンネル手前から日本のチロル ”下栗の里”への道に入る。この道は狭く険しく、北又渡発電所からの林道は落石が多く予断を許さない。 上島トンネルから易老渡までは20kmの道程。
易老渡登山口
  村道に入って直ぐに都観光の大型バスに道を阻まれ、北又渡発電所までの間は道を譲ってもらえなかった。易老渡の駐車場に着いたのは17:30.駐車場の半分は車で埋まっていたが人は誰も居ない。
我が車の横に一緒に林道を走ってきた長野からの御夫婦が車を停められた。

トータル:10時間08分(休息時間含む)
深田久弥著の「日本百名山」から
  頂上は狭かった。少し行くと、御料局三角点のある頂上がもう一つあった。ここの方が幾らか広い。
パインアップルのカンをあけ、一株のハイマツの根元に腰をおろして休んだが、そのハイマツこそ
日本最南端のものであった。
Road Map :上記の通り。
Route Map:易老渡〜易老岳〜光岳を往復。下山時にはイザルガ岳に寄ってみる。
易老渡 面平 三角点 易老岳 三吉平 静高平 光小屋 光岳
5:35 6:50 8:40 9:03 9:56 10:37 11:01 11:16
光岳 光小屋 イザルガ岳 易老岳 三角点 面平 易老渡
−−− 12:00 12:14 13:40 13:56 14:54 15:43
登山口からは ”遠山川”を挟んだ向かいの山を登ることから始まる。
易老渡登山口の駐車場。 前日は左側一列が満車状態であったが、
下山してみると駐車場に入り切れない車が道路沿いにも停めてあった。
6時の出発を予定していたが、お隣さんがそそくさと出発するのを
見てこちらも5時35に出発する。 遠山川を渡る登山口の橋。
登山届けポスト有り。 熊出没注意の立て札が目に入る。
かろうじてヘッデンが要らない明るさではあるが、写真を撮るには
暗過ぎる。 6時過ぎまでの写真は下山時のを使っている。
3時間05分を登り通して ”三角点”が現われたので
”易老岳”に着いたと喜んだが、単なる登り途中の三角点だった。
シラビソの樹林帯で展望はまったく効かない中、樹木の隙間から
明日登る予定の ”聖岳”がチラッと見えただけで嬉しかった。
”易老岳”から ”光岳”方向へ下っていくと初めて ”光岳”への展望が開けた。
3時間28分で ”易老岳”(2,354m)に着く。ここまでの登りは長く
辛かった。 ネットで知らされている通り、山頂はフラットで雑木に
覆われ展望は無い。 山頂を示すのは三角点と手書きの標識だけ。
最鞍部の ”三吉平”(2,200m)は展望が良い。 対面にはしらびそ
高原に走る林道と ”ハイランドしらびそ”のホテルが見えていた。
その後はガスが掛かっているが中央アルプスの山並みが見える。
まだ本番までには少し早い様であるが、紅葉、黄葉が始まっていた。
駐車場でのお隣さんになった長野からの御夫婦と、
もう一人、神奈川からの人の4人で着かず離れずの行動となる。
沢筋の急登をこなすと、5時間02分にて水場のある ”静高平
に着く。 左に伸びるスロープは ”イザルヶ岳”に続く。
”センジヶ原”の亀甲状土は土がモコモコしているだけで成因が
何か判らない。 湿原としては規模が小さい。 これが天然記念物?
”静高平”にイザルヶ岳への分岐点があったが、帰りに登ることにする。
センジヶ原”に木道が伸びるが、既にお花は何も咲いていなかった。
東面には頂部のみ冠雪した ”富士山”が見えた。
”富士山”は全体が真っ白でないと美しくない。
振返ると ”聖岳”の雄峰が聳えていた。 光岳より遥かに高く、険しそうである。
あくる日に ”聖岳”を登ってみると ”光岳”よりかは楽に登れたのが不思議だった。
”光岳小屋”は食事の提供は無く、宿泊のみとなっていた。
5時間26分にて ”光岳小屋”に着く。
営業は9月17日で終了しており、今は無料開放されている。
光岳”の山頂は樹木が茂り、ピーク感は無く展望は皆無であった。
 ”展望台”から ”光石”まで降りる踏み跡があったが、
登り返しがきつそうなので行くのは止めておく。
い長い下山
  いつも通りピストンとなると退屈な長い下山が待っている。
どこを見ても同じ景色、時間薬だけが解決してくれるので歩き続けなければならない。 沢音が聞こえだして、今日は道間違いもずっこけも無く無事に終わったなーと考え出した瞬間、思いっ切り大転倒をして左腕を擦り剥いてしまった。 3時間43分にて下山を終えて、トータル
10時間08分で光岳を終える

神奈川からの人は北岳を2時間で下山したと言う。 下りに掛けては
山仲間で一番遅いおいらではあるが、何とか付いて行けた。
只、相手は小屋泊まり用の重いザックを背負っていた。
明日は聖岳
  神奈川からの人も長野からの人も聖岳は既に登っていると言う。長野からの人の情報では5時間半で登れたらしい。 光岳は6時間近く掛かっている。 聖岳は光岳より400mも高いのにそんなに短時間で登れるのだろうか。 聖岳には登り返しが無いと言うので、
それが時間差に出ているのかも知れない。
寂しく一人で夕食とする
  易老渡まで入ると自炊するしか手立てがない。幸い、 子供が小さい頃にキャンプで使った炊事用具が出てきたので助かった。
バーナーのガスは20年前の物であるが火力は充分であった。
レンジでチンのご飯は便利である。 湯煎の後はそのまま食器として使えば汚れる物がない。 今日は定番のカレーとビールのみ。
三吉平の最鞍部からは石がゴロゴロした谷筋の登り返しが
始まるのだが、これが結構堪える。
”展望台”から ”加加森山”から ”池口岳”へ続く尾根筋を見る。
イザルヶ岳”(2,640m)へは登山道分岐から15分程で着いた。
”イザルヶ岳”は360°の大展望であり、 ”光岳”よりかなり格上に感じた。 こちらを百名山にしてもおかしく無い位だ。
見えているのは左 ”聖岳”、右 ”上河内岳”が確認出来た。
駐車場にテントを張って寝ていた二人組みがMTBを担いで上がって
来た。 ハイキングコースを走るMTB野郎には嫌な思いだが、ここま
でやられると敬意を表したくなる。 ロールアウトの加藤氏は失敗は
したがMTBでキリマンジャロを登ろうとしたが規律違反で止められた。
早朝の暗い中、朝飯を作って食べていると長野からの御夫婦は”お先に!”と出発してしまった。
1時間02分の地点に光岳まで9.7kmの表示有り。 易老渡からなら10kmを越えているのか!!!
1時間15分にて面平に着くが急登部が無くなり少し平な部分が広がるだけで展望が相変わらず得られない。
展望も無く見所も無く、3時間以上も淡々と急斜面を登り通すのは本当に辛い。
笠新道が三大急登と呼ばれているが易老渡も笠新道に匹敵するきつさと思う。
殺伐とした枯木帯を通り、縦走路は更に下っていく。
バックをデポした連中は小屋に戻り、お昼を仕出した。
付き合いで、もう1ヶおにぎりを食べて休憩する。
二組ともベテランさんなので知らない山名がポンポン出て
きて話に付いて行けなかった。 まだまだ経験不足です。
雑記
  ネットで見ている限りでは ”光岳”には良い印象を抱けず、登りたいと思ったことはない。実際に登った感じでは予想以上に好きになれない山になってしまった。
6時間近く頑張って登った山が高山帯でないのが許せないし、長い行程に見るべきものが何もない。 百名山を目指す人は登らなければしょうがないが、山を楽しみたい人は登らない方が良いかと思う。
日本百名山』 易老渡から易老岳までが展望の利かない地獄の登りだった。
”イザルヶ岳”分岐には植物保護の為、ザックをデポする台まで用意されていた。
”イザルヶ岳”には下山時に登ってみたい。
”センジヶ原”の木道は”光小屋”目指して伸びていた。
ここから見る ”光岳”と思われるピークは単なる薮山に見えた。
当然、直ぐ横の展望台に行ってみる。
帰りの駄賃として ”イザルヶ岳”に寄って見る。
”イザルヶ岳”の山頂からしょぼい ”光岳”を見る。
山道具は買わない主義のおいらには、自炊道具は昔のファミリー
キャンプ用しかない。 まぁ、ビールさえあれば何所ででも寝れる。
2006年度の南アルプス遠征
10/08    10/09
光 岳 ⇒ 聖 岳
てかりだけ
2024年1月1日改定
所々に出て来る ”易老岳”までの距離表示は ”あと1km”なら
元気が出るが、”あと5.4km”は気分が萎えるだけである。
ネットでの話し通りに展望の利かない登り道が延々と続き、
体力的にも精神的にもしんどい。
”見老渡”から ”見老岳”まで登りで3時間28分掛かったが、
下りは2時間50分(170分)で下れると言うことか?
”センジヶ原”は火気厳禁にしておかないと、
火が付けば一気に燃え尽きそうだ。
”光岳”に登る前に ”光岳小屋”の内部を見学してみる。
2階は前面寝室となっており、かなりの人数が詰め込まれそうだ。
”光岳小屋”での休憩は後にして、まずは ”光岳”に向かう。
”光岳小屋”からひと登りすれば ”光岳”(2,591m)の三角点のある山頂に着く。
”展望台”まで行くと、富士山も見える大展望が得られた。
誰も ”イザルヶ岳”には登って来ないので
”富士山”を背景に自撮りしておく。
”見老岳”に戻り、”見老渡”までの長い下りに入る。
どこからかの下山者と同じになる。
黄色と言うか、黄緑色と言うか、見たことのない色のヘビに出くわした。
気温が低い影響か動きは遅かった。
泊り装備のグループさんを抜く。
”遠山川”の橋を渡り、無事 ”光岳”からの下山を終了する。